2017-09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

三つの無伴奏混声合唱曲(作詩/北原白秋 作曲/柴田南雄)

   水上

水上(みなかみ)は思ふべきかな。
 苔清水湧きしたたり、
 日の光透きしたたり、
 橿(かし)、馬酔木(あしび)、枝さし蔽ひ、
 鏡葉(かがみは)の湯津(ゆづ)真椿(まつばき)の真洞(まほら)なす
水上(みなかみ)は思ふべきかな。

水上(みなかみ)は思ふべきかな。
 山の気の神処(こころど)の澄み、
 岩が根の言問(ことと)ひ止み、
 かいかがむ荒素膚(あらすはだ)の
 荒魂(あらみたま)の神魂(かみむす)び、神つどへる
水上(みなかみ)は思ふべきかな。

水上(みなかみ)は思ふべきかな。
 雲、狭霧、立ちはばかり、
 丹(に)の雉子(きぎし)立ちはばかり、
 白き猪(ゐ)の横伏し喘(あへ)ぎ、
 毛の荒物(あらもの)のことごとに道塞(ふた)ぎ寝(ぬ)る
水上(みなかみ)は思ふべきかな。

水上(みなかみ)は思ふべきかな。
 清清(さわさわ)に湧きしたたり、
 いやさやに透きしたたり、
 神ながら神寂(さ)び古る
 うづの、をを、うづの幣帛(みてぐら)の緒の鎮(しづ)もる
水上(みなかみ)は思ふべきかな。

水上(みなかみ)は思ふべきかな。
 青水泡(あをみなわ)とよみたぎち、
 うろくづの堰(せ)かれたぎち、
 たまきはる命の渦の
 渦巻の湯津(ゆづ)石村(いわむら)をとどろき揺る
水上(みなかみ)は思ふべきかな。


   早春

     香取神宮

槙(まき)のこずゑに、青鷺の
群れて巣をもつ幽(かそ)けさよ。
空のはるかを、日の暈(かさ)の
凝(こご)りかけつつ行き消えぬ。


   風

   一

遠きもの
まづ揺れて、
つぎつぎに、
目に揺れて、
揺れ来(きた)るもの、
風なりと思ふ間(ま)もなし、
我いよよ揺られはじめぬ。

   二

風吹けば風吹くがまま、
我はただ揺られ揺られつ。
揺られつつ、その風をまた、
わがうしろ遥かにおくる。

   三

吹く風に揺れそよぐもの、
目に満ちて、
翔(かけ)る鳥、
ただ一羽、
弧(こ)は描(か)けど、
揺れ揺れて、
まだ空の中(うち)。

   四

吹く風の道に、
驚きやまぬものあり、
光り、また、暗(くら)みて、
をりふし強く、急に強く、
光り、また、暗(くら)む、――
すべて秋、今は秋。

   五

輝けど、
そは遠し。
尾花吹く風。

CD
日本合唱曲全集「優しき歌・第二」柴田南雄作品集

楽譜
柴田南雄 混声合唱曲集
スポンサーサイト

テーマ:詩・唄・詞 - ジャンル:小説・文学

トラックバック

http://songstext.blog66.fc2.com/tb.php/2-4d557c3a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

プロフィール

ピエルネ

Author:ピエルネ
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。